日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

くちおし

深山くのえの少女小説『浪漫邸へようこそ』、全3巻を一気読みしていました。あーーーたのしかった!! めちゃくちゃ好きです。こんな、いくらでも続けられる舞台で群像劇で、3巻完結なの勿体無いよなあ……とはいくらでも思いますが、レーベルごと傾いてきてた時期ですし無情ですね。きっちりあの最終回にしてくれたのには感謝。ですが、でもあの結婚とか次期当主の恋話とか、サブのまま終わってしまった作家や書店員とか、あーーー……っていう……思いは……とても……。最終回にこの父親をぶつけてくれるのはとてもよかった。でもやっぱりもっと皆の専門分野とか恋愛とかの深堀りをみたかったな。心残りです。
華族の少女(父が借金と共に蒸発し、齢11の弟とともに奔走)と帝大医学部生の青年(彼女が質屋へ行った際に縁あって同居へ)のふれあい歩み寄りを描きつつ、その華族邸での下宿を通した疑似家族的な群像劇だいぶアットホーム寄り。大正浪漫要素はたっぷり。とまあ、自分の好きな要素に振れてたのがとても心地好かったのでした。紗子(すずこ)筆頭に、みんな真面目で誠実で、ちゃんとしているのが穏やかに読めてよい。笑えない事件は裏でどんどん起きてるんだけども。年少者たちは図らずも大人びなければならなかった組でもあってちくりとはしますがまあ好きなんですよね…ひょっとしなくても主人公もか。立派な子達の奮戦記(淡い恋愛模様つき)でした。よかったです。