日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

転生王女と天才令嬢の魔法革命

なろう小説「転生王女と天才令嬢の魔法革命」が、めちゃくちゃよかったんですよ……めちゃくちゃドストレートになろう小説で、めちゃくちゃドストレートに百合だったんですよ……こんなことある…………? 超長編となったBL小説みたいな関係性の殴り合い積み上げ・ただし恋愛はサブポジション~が百合で見られる日が来るとは思ってなかった…………

書籍1巻はブックウォーカーの読み放題入っていたときに読んで、この辺に感想も投げましたが、いやそんな呑気な感想書いてる場合じゃなかったですねおそらく2巻?のラストからはもう怒涛でしたね。魔法と魔物、王や貴族のいるファンタジー世界で、まっとうに転生チートと思いきや情と柵にまみれた群像劇。好きじゃないわけがない。そして主人公アニスとお相手のユフィがとにかくすごかった。ちゃんと国を継ぐということ、それでいて百合エンドを貫くということの最適解じゃないのと唸ったもんな。第一部終了のあたりで。がちがちに組み上げて納得百合エンドを叩きつけた第一部に比べて第二部は全体的にファンサービスというかある程度のご都合主義も解禁しつつキャラと関係性を深堀りしまくる構成で、もちろんそちらも大変おいしかったです。捨てられないんだよな作者。普通はそこで脱落(死んだり後に出てきても暗い目をして立ちはだかり呆気なく切り捨てられる)する種のひとたちもみんな、「失敗したあとの生」を否応なく紡がされてるんだけど、まあ自分は割と好きなクチですね……。もっと雑にCP成立してくれてもよかったのよ……?

 

百合小説として今年ベストといえそうな勢いですっころんだのでもうちょっと初読時の勢いで書いとこ。
アニスフィア:転生主人公。奇天烈王女と言われてるけどその振る舞いはまあ途中から本当にふるまいになっていくし、弁えた上で色々やらかしているんだけど肝心なところで間違えるのが本当、本当にな……人間関係で救われていてよかったねというやつだよな……。普通にベリーハードな位置スタートの人生で幸せを掴み取れてよかったねえとしみじみ思える人たらしで受け。……そう、この明るく全力主人公、導く側だし割と少年漫画の熱血主人公っぽさもあるのに、受けなんだよな……。全力でGJ。キス、いちゃいちゃ、セックス、応用系までの流れも本当いいんだよな……基本ラブラブだし。すれ違いも公務を優先したとかやむにやまれぬ事情だったのは知ってるけど嫉妬はするから、とか、そういうのなので胃が痛くなるすれ違いはないし。ひたすらアニスが疲弊しているのはたいへんおいしいし。うん。
フィア:主人公の相方。自我が無いというより我儘を知らないまま次期王妃の道を突き進んでいた所、初話で王道・断罪婚約破棄をされる御方。……アニスの魔法理論にいちいち驚き、少しずつ人間性を獲得していくところは普通に良い話、ほのぼの百合だったのになあ……。覚醒してからが本番で中盤からずっと覚醒しっぱなしだったのでもうすっかりそのイメージで刷り込まれてしまった。でもこの強さはとても好き。……あっミアプリのミアかこれ……?(いまさら……)ちゃんとアニスと歩むために女王となり、いちゃいちゃの主導権を終始握っている魔法的には天才で政治力の鬼、まあ嫌いなわけがない……んですが意外と心酔まではいかずじまい。最初から強者だからかな……。女王となり精霊契約者(=人間やめてほぼ不老不死)になり、世継ぎの決着もつけてやりきってる様も大好きなはずなんだけどな……。(女王になると決めた辺りの精神状態がでもいちばんすきですねやっぱり……)
イリア:アニスと長年寄り添った従者。ずっと主従でいい、貴女だけが光、でも主人は全力でおちょくるし雑に扱う、というだけみればよくみるやつですが、作者の業として「贖罪のための歩みの否定」「それに伴う否応なしの変化」をぶっこまれた結果、主を尊重しつつほかの少女と恋仲に。えっマジで!?!?!?ってやつだよね…………性癖ですよね…………おまえ「なによりもほかにたいせつな対象があるのに他に恋人がいるしそれはそれでぞっこん」というやつに弱すぎだろ。はい。
レイニ:イリアのお相手。吸血鬼で周りを魅了しフィアの断罪婚約破棄の舞台を作ってしまった。彼女がここ(アニスの侍女でメインメンバー)に落ち着くのもすごいよな作者……。いや覚醒した時躊躇なくイリアが血を分け与えてるのにはにやにやしてましたが、ちゃんとアニスから自立しつつの恋仲コースになるとは思わないやん……普通はその手の変化って書き切らないじゃん……? 芯は強いけど気が弱い、一歩引いてる、普通に侍女っぽさだし小動物系がとらえられてる側なのは深入りするほどの好みではないのでまあ普通に楽しませていただきました。普通に。お楽しみに乱入しちゃったアニスのシーンは大変たのしませていただきました。トラウマ解消のターンはめちゃくちゃ好きです(正直)。
親世代:ふっつうに仲良くていいですね……!!!! メインが百合全開なのも相まって尚更よい……私たちの代ではできなかったから、と、背中を押してくれる理解者たち。すごいし好きなんだよなあ……。
アル:アニスの弟、フィアの元婚約者で断罪した側で結局初面のラスボスに。普通はあの場面で殺されて終わりだと思うんですが、精々第一部の廃嫡のシーンで幕引きだと思うんですが、作者の情の厚さのせいで辺境で活躍し恩赦も受け、すっかり半メインメンバーになるくらいの存在感に。ばかではないとアニスに言われ、ちゃんと……っていうか、競わなければ普通に優秀なんだよな。マジでな。

プリシラ:最初はやめたけどやっぱり追記。ざ く ア ク の プ リ シ ラ っ ぽ く て た い へ ん お い し か っ た で す 。性格や言葉遣いに立ち位置もさておき、過ちのおかしかたがな…本当にな…だいすきな抱え込み方で覚悟でした。つまりそういうやつです。