聖×蓉子
中和の意味も込めて連続投下。完結です、一応。
パソコンが恋しい。それはもう切実に。私がSSもどきを日記にあげだしたら暫くネットに繋がっていないと解釈して下さい。
あ、でも昨日レスのために微妙に浮上しましたね。隠れてこそりと、でしたが何か?(笑)私生活が色々な面で中だるみしています。焦りだけが募っていきます。もっとすっぱりといけないものか。反抗期の無かった子はろくな大人になりにくいということをふと思い出してみたり。
……もう少しあがいてみます。取り返しがつかないとはまだ思いたくない。
(何か話が妙な方向に逸れましたが以下SSもどき。)
電話はいつものように唐突で簡潔だった。
メールなら一行、行ってもせいぜい三行、と言ったところ。
雪が降ってる。遊びに行かない?
句点に続くのがだから、なのか、だけど、なのかは判断が難しいが私は気にしないことにした。どちらでも行動に代わりはない。
本に栞を挟んで閉じ、服を見繕うために起き上がる。
冷気は私を刺して、着替えを急かすよう。
留守電のような聖の台詞を反芻して、私は久しぶりにわくわくした。
待ち合わせとして指定された公園は、子供たちで溢れていた。正確には親子連れ、なのだが大人は背景になっていて、ただ無邪気なはしゃぎ声が、雪玉が、彼らの小さな体自身も皆飛び交っていて。
同じように背景になった私。雪は、ちっとも静かじゃない。ときも、あるのだと。そう確認する作業を繰り返す。
僅かずつ、外の白さは私の熱りを冷ましていく。
可愛い歓声の方に目を向ければ、2.5頭身程の雪だるまが。頬を赤くして騒ぐ子供たちを困ったように見つめていた。
やっぱり私もひと掬い、してみようかと思い屈もうとすると。正面から、そっと影が落とされた。
ブーツだけで、誰かなんてすぐに分かる。
ふと思いついて雪をひと掴み。そのまま立ち上がって、手を振り被って。
「……えぇ!?」
あ、楽しい。
咳き込む聖はなんだか新鮮だった。滅多に見られない、層の表情だと思う。
一瞬浮上した寂しさを雪玉がかき消した。
呆気にとられている間に、聖は二つ目に取り掛かっている。
背景から抜け出して私も雪を握り締める。余り痛くないように、なんて考えはすぐに消えてしまった。
「……それで、どこに出かけるのかしら?」
あがってしまった息が、少し悔しい。
「んー、蓉子ん家、行こうと思ってたんだけど」
「はぁ?」
濡れてしまったから、では絶対に無い口調。
ちょっと待ちなさいよ、それなら貴方が最初から私の家に来ればいい話じゃない。それにねえ、電話には……
一通り文句を言い終えても、聖はどこ吹く風。
それは勿論、家から今まで、馬鹿みたいに楽しかったけれど。
「……無駄足だったわ」
呟いて、最後の抵抗。
「そう?」
貴方の影の笑顔が揺れる。