日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

懲りずに続く

だらだらとした日常が欲しいときだってあると信じてる。

……サイト弄りたいなあ。

「食べさせてくれないの?」

「……よく飽きないわね」

ついこの前も同じことを言われた気がする。そもそも週に一度は同様の発言を聞いている気がする。私の反応がいつも同一かはともかくとして。近頃押し負けかけていることを自覚した以上、どこかでストッパーをかけなければいけないのだ。聖のわがままに日々付き合っていたら絶対に駄目になるんだから。

「果物やお菓子に関しては自重しないことにしたの」

……自重しなさいよ。

桃にプリッツ、マスクメロン。拒絶した品々、と受け入れた一部が脳裏に浮かぶ。食材で遊んでるようで不謹慎だ、と怒ったのを聖はどうも変な方向に解釈したらしい。

詰まる間に敗北への距離はぐんぐんと縮んで行く。今大切なのは論理より何より勢いだ。

「とにかく、嫌」

「でもぶどうは、去年はやってくれた」

「デラウェアでやれるわけないでしょ、馬鹿」

そうじゃなきゃいいのか、と自分自身にも突っ込まれたが生憎私たちは巻き戻しやリセットができる世界には生きていないのだ。この前学友に借りてきたというテレビゲームに向かっていた聖の少し丸めた背中を思い出す。画面に向かう彼女の表情、だらしなく寝そべった姿、近づきすぎだと怒る私。内容もタイトルすら思い出せない自分の体たらくに頭痛がした。いやこんなことで頭を痛ませてる場合じゃないのよ私。

「じゃあまた巨峰買ってきたらやってくれる?」

「いやよ」

論理は要らない。理詰めで負かした後の聖のふてくされ方はそれこそ頭が痛い。人生に二回あったはずの反抗期をちゃんと昇華させてきたのかと言いたくなる。

「……あれは、暇だったの」

「嘘つき」

くつくつと断罪する、甘ったるさに首から上がじわりとほてる。顔を逸らす代わりに、立ち上がる私の手を取った聖の目元はどうしようもなく緩んでいた。嬉しいなあ、楽しみだなあ、擦り寄せられる態度に勝てないと知っている猫の仕草。いっそ同種になって引っ掻いてやろうかしら。

「そんなこと、」

「ついてるでしょ? しかも二重だしぃ」

無駄に上機嫌な聖がとすりと。彼女の感情がどうであろうと振り回されることに代わりはないのか、と諦めを認めはじめた自身に脱力感が圧し掛かる。現実の聖とともに。……というか重いわよ。近いってば、その抱きつき方、どうにかしなさい!

一番簡単な現状打破は私が折れることなのだ。くずりと減らされた私の意地を両手に抱える聖は、そんなことは勿論計算づくで。負け惜しみに頬を引っ張ると勝利宣言の蒼穹が不格好に潰れた。