読書メモ。
プリンを作る時にバニラエッセンスを入れ忘れるととても残念なことになることを学びました。
『セカンド・ショット』川島誠(文庫/小説/短編集)
この、ぬるっとした感情が良い感じに気持ち悪いですね(笑)。青い春と言い切るにはもう一歩な義務教育後半戦。
このエネルギーを反対方向に飛ばすと『800』みたいになるのかな。
『紅顔』井上祐美子(文庫/歴史小説/中国明清)
呉三桂と李自成ってよく間違えますよねー。
もう少し人間関係をねっとり描写してくれたら……と思ったので次は芸伎や遊女の短編集に手を出すつもりです。恐らくこっちのコンディションの問題。
最後の一文がうまく解釈できないまま小骨として引っかかってます。白雪姫といいナルキッソスといい、一番恐ろしいのは唆す鏡なのかも知れず。
『裸足の皇女』永井路子(文庫/歴史小説/短編集)
古代日本のオムニバス。明確には繋がってない作品も多いですが。
「殯の庭」の彼の思考が多分一番好み。いや血の連鎖に反応したとかそんなまさかははは。経年に従って変わっていく心境が落ち着いているのに迫ってきて。
物語としては「恋の奴」からの連作が好きでした。ここまで来てしまった、感慨への笑みにやられました。本望です。
近親や身分差はともかく不倫や人妻方面へ足を踏み入れたら(ryと何処かで声がします。……(ryとか久々に使ったよ。
40年くらい前の女性週刊誌連載。「薔薇人形」が本当に薔薇の話で噴いてました。「雪水仙」「牡丹の里」あたりの禁断度合いが素敵。「あまりに近く、それゆえに触れることのできない」のはそうか義理でも有りなわけだ。
凄絶さでは「椿の庭」「火の菊」ですかね。突き抜けた妄執に彩られた破滅。
『RIGHT×LIGHT 7』ツカサ(ラノベ/魔術バトル/夏休み)
予想に反して友月祭でした。マジか。なんか彼女ならどんな暗黒に堕としてもいいやという雰囲気がひしひしとしますね(笑)。苦しみすぎ死線をさ迷いすぎついでに狂気に染まりすぎです。楽しいなあwあーアリッサは自覚し始めたし従姉で姐さんキャラも登場だしで、ラブコメ成分はしっかり泥沼コースを進みだしましたね……。
ちなみに挿絵、人体構造は結構あれだったりしますが、虚ろな表情が大変好みでございます。つまり友月万歳。
なんか『デュラララ!!』の雰囲気に近いなーと思ってたら冒頭のカラー挿し絵が似てました。どうしようもない少年少女たちの物語なのでやっぱり似ていたりもするのかな。好きな雰囲気だーという感想なので勿論良い意味でですよ。
後味は決して良くはないんだけど何故か気持ち良く読める杉井光作品。うん確かに仕事しろよw
『時載りリンネ! 1 はじまりの本』清野静(ラノベ/ファンタジー)
展開やまとめ方がいちいち丁寧で繊細で綺麗でした。真新しいものがあるわけじゃないけど素材の扱い方がうまいというのかな。まあ、好きな系統です(笑)。
語り口も中々良かったです。綺麗な装丁を開いて閉じて、というとアリスのノリかなあ。
百万字読むだけで時間が一秒止められたら便利だろうなあとは思うもののテスト時間引き延ばしたり乗り遅れそうな電車に飛び乗ったりするくらいしか使い道を思いつけない貧困な脳の持ち主はせいぜい憧れておくぐらいが分相応の模様。
『ダビデの心臓』スズキヒサシ(ラノベ/ファンタジー)
グロと鬱で異能バトル、で間違ってないはず。後ろ向き主人公にいらいらするって良く聞くけれど実際自分が感じたのは初体験でした(笑)。お前……三度目の正直どころじゃないだろ……。
みんなもう少し見せ場があってから死んで行って欲しかったなあ。せっかくのキャラ設定が生かしきれないままなんてそんな勿体無い。
『迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!!』松智祥(ラノベ/ラブコメ)
「お前たちこういうの好きなんだろ?」というエネルギーで最後まで突き抜けてくれた一品(笑)。その辺三浦しをんに近いかなーとも思いましたがもっと露骨というか両者の距離が近いですね。さすがラノベ。
台風の夜、が中々。変わったカフェに集まる変わった仲間たちの話。