拍手没話
そのに。微エロじゃなくなったシリーズともいいます(笑)。今回は珍しくも健全な方に振れた。
拍手有り難うございますお返事は明日致します……! とんでもな長文になりそうなのであと一日時間をください……。
「蓉子」
「なあに?」
「蓉子は、私のものよね?」
「……ええ」
だけど、私だけのものじゃない。
知ってる事柄。残酷な事実。私ではどうにもならない現実。
「愛してるって言って」
「……愛してるわ、聖」
私が「命じ」れば、蓉子はなんでもしてくれる、なんでも私に従ってくれる。死んでってナイフを渡したら、躊躇なく胸に突き立ててくれるのではと思うくらい従順。
間抜けな柄を生やした蓉子なんて見たくないし、あなたにはあたたかいままでいて欲しい。
「蓉子」
「なによ」
私を嫌わないで。もっと愛して。もっともっと優しくして。
かなわない願いはしないから、その代わり蓉子にできることは全部してよ。私だけを愛してくれてるって錯覚できるくらい。
慈愛は誰にでも分け隔てなく注がれるから慈愛なのだ。蓉子の慈しみの眼差し、それでも私は特別なんだって勘違いしてしまいそうになる。私みたいな奴を蓉子は放って置けないだけだって、頭では、わかっているのに。
そっと胸元に顔をうずめた。拒絶しない蓉子の肌は優しくて、その安寧だけが欲しくて、私はゆっくりと目を閉じた。いつものように、他のことには懸命に、目を瞑るために。