続き……に果たしてなってるのやら
ここ最近やってたスイートだかスイーツだかのおまけの話。今日は現白。
恥ずかしいタイトルにしようと言う野望は達成したけどこんなに引きずると分かってたらそもそもそんなもの抱かなかったよ! ……自業自得の羞恥プレイ。
もう、あの人は勝手過ぎる!
ふふ、なあに妬いてるの?
妬いてなんか!
……ないこともない、けど
妬いてないわけがない。私らしくない苛立ちを引き起こすのはだいたいあの人だ。志摩子さんのせいじゃない志摩子さんは悪くないあの人が悪い。そう念じることで平静を保つのを許されてる時点で僅かなりともあの人に甘えてるという事実がますます私を落ち込ませるから最近ではあまり深く考えないことにしている。
蓉子さまね
何が?
この丁寧さ
あー、やっぱり。
てか聖さまって山百合会の仕事ちゃんとやれてたの?
やるときはやる方よ、あの方は
妹へのプレゼントは「やるとき」じゃないのかなぁ
妬いたり怒ったり、忙しいのね
だって!
本当に勝手な人だ。どう客観的に見たってはた迷惑な諸業ばかりなのに、聖さまを良く知る人ほどそれを自由だとか奔放だとか称す。対極に位置するミーハーな御仁たちも似たような褒め方をしてた気もするけどまあそれはそれ。そもそも何で卒業生なのにむやみやたらと人気なのか、さらにはこっちにちょっかいかけてくるのかがわからない。
手綱を握ってる(とこれまた皆は口を揃えて言う)蓉子さまは真面目で立派で偉大な方らしいが、願わくばその紐をもっと短くしては貰えないものだろうか。確かに出来た人なのに惚れた弱みかなあ、よりによって何でまたあの人に引っかかったのかなあ。お土産の箱を指の腹でつつきながら、ご機嫌な志摩子さんと人ひとり分の距離を埋める。もう拗ねたままでいいや。私のつまらない感情、全部ばれちゃってるんだし。
一緒に食べる口実をくださったのかしら
え?
お姉さまったら
目の前に広がったその顔は、なんだかとっても「妹」の顔で。向ける感情が姉妹であることに安堵しながら、でもその絆の深さに嫉妬してしまうことはやっぱり止められなくて。結局ふてくされた私を見て志摩子さんはそれはもう嬉しそうに笑った。
……幸せだったけど、恥ずかしかった。