日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

人魚姫の足

何か色々やっちゃった童話パロ。多分不健全ですご注意。暗喩大好き。

実は長編のプロット代わりにまとめたSSなのでそのうちこんな話が書かれるような結局書かれずに終わるような。

次々と女行脚を繰り返しながら、私だけはけしてそんな目では見ないあなた。特別なのが嬉しい。対象にはなれないのが悔しい。甘いことばは囁かれないけれど、それを貰える彼女たちよりは近くにいることを赦されて。ああお前の望みは永遠に叶わないのだと、その代わりに側にだけはいさせてやると、まるで人魚姫の声のように。足の代わりにずきずきと痛む心。突き刺さる激痛は胸を圧迫する。

肉体の痛みも欲しくなって、いつからか自分を慰めることを覚えた。自涜とはうまいことを言ったものだな、と、苛むためだけに手を動かす。血を滴らせずとも、痕の残る手段を使わずとも、自らを虐め責め倒すことなどこんなにも簡単。

どんな痛みも私の歩みを止めることは出来ない。

私には腕がある。あなたを抱え込みたい腕、けれど汚れた腕。あなたに触れたい指、愛を囁きたい唇、求めるあなたを見たい瞳。吸われたい胸、なぶられたい身体、迎えいれたい場所、全ては叶わぬままでひとり嬌声をあげる。奪われた声。あなたには届かない告白。許されぬ懺悔。

……ああ、痛い、な。

まだ足はついている。激痛は私の恋路を阻んでくれなどしない。例えもげても這ってでも進むだろう愚かさを止めるものなど何もありはしない。

そして私は歩き続ける。あなたの隣に立つために、代償の痛みを引き受けて。針を差す鋭さを脳天を突き抜ける快楽という名の地獄を甘美にすら感じて。

いつかこの思いごと泡になって消える日まで。