携帯がやばい。
ぱたりと更新が途絶えたらああ壊れたんだな、と思って頂ければ。早めにバックアップ取っておかないとなあ。
うっかり昼を食べてから海を見るために数時間ドライブとかいう強行軍をしてきてしまい、助手席でナビしかしてないのに(しかもほぼ一本道)何か疲れてふらふらなのでお返事は明日……すみません……今のテンションで仕上げると絶対失礼なことになる……。
代わりにもなりませんがちょっと長めに令江。(続けるつもりで取っておいたけど暫く書けなさそうなので/最近の頭が余りにも聖蓉脳過ぎて……平行して書いてる聖志が迷走を始めた……)日参サイトさまが結構複数黄薔薇コールしてましたし(笑)。アニメですごく端折られてるんでしたっけ?
バ ラ エ テ ィ ク ッ キ ー
「お姉さまって、すごいんですね」
「そう?」
令の紅茶、おいしいじゃない。
持ってきたかいがあったわね、と金色の缶を見やるお姉さま。スタンダードなその紅茶は、お姉さまの手に納められるとなんだか特別なものに見える。
「ねえ、令はお菓子つくりも趣味なのよね?」
ぼう、と見とれていた私に、お姉さまの軽い言葉。細くしなやかな指先が、わずかに覗く白い手首が、金の輝きを抱く情景から慌てて目を離して私はお姉さまに。
向き直った先に改めてまみえたお姉さまは当たり前だけど顔も綺麗で、思わず赤くなってしまう。
「クッキーって、色々な種類焼くの、大変?」
「ええと、どういう意味ですか?」
言葉は入ってくるのに、耳に心地よく響くのに、私の沸いた頭はなかなかうまくそれを情報として処理してくれない。甘美な囁きとしてだけ溜まっていく。
強引に理解させた後、それでも意味が取りきれなくて、結果失礼な返答にならなくて良かった、とこっそり胸を撫で下ろす。
「つまりね、蓉子は甘党だけど聖は甘いもの苦手なのよ」
「……はあ」
「どっちかが無理しなきゃならないお茶会ばかりでもつまらないじゃない」
はあ、と私に呼応したわけじゃないけど大仰にためいきをついたお姉さまはほんの少しその瞳を曇らせていて。
親友思いなんだ、と思わず感嘆の声をあげたくなる。そんな素振り見たことなかったけど、お姉さまが隠してるか、私が馬鹿だから見落としてるか、どっちかなんだ。なんだかすごく嬉しい。誇らしくって誰かに自慢したくなる。
「お姉さまは」
つい口に出た心情にお姉さまがついと反応。慌ててごまかしの言葉を探す。
「お、お姉さまの好みは、なんでしょうか」
……いやごまかしになったと言えばなったけど、でもこれは後でしっかりと聞きたかった事柄だし、ああだけど今しっかり聞いておけばそれはそれでいいのかな?
ぐるぐるぐる。お姉さまは落ち着いたまま、私だけが取り乱し慌てている。
「ああ」
そうね、甘さは控え目が良いかしら。
あとは隠し味に何かとかひとひねり効かせてくれれば、と目を細めて笑うお姉さま。その思い出の先に何を思い浮かべているのかはわからないけれど、いつかその幸せな視線の先に私のお菓子を浮かべさせたいな、なんて、私は不遜にも考えた。この気持ちはいったいなんて言えばいいんだろう。まさか、独占欲?
「隠し味……ですか」
「別にわさびとかそっち系でもいいわよ?」
くくっと笑うお姉さまは悪戯っ子の表情で。良く似た顔をしょっちゅう見てるからか私は気が抜けるやら愛しく思えるやらで目まぐるしい。ね、と見つめられるまっすぐな瞳に心臓が跳ね上がる。少し上目遣い、もしかしてわかってやってますか?
「うん、じゃあそれがいいわ」
「えぇ!?」
よろしくね、と歌うように告げて、お姉さまは私から離れ洗い場へ。手でもてあそばれたあの缶が、きらきらと明かりを反射して、光っていて。うらやましくて、そんなことを思う自分が気恥ずかしくて。どうしたものか、と頭を掻く。
取り敢えず今日は砂糖控え目のを試作かな、なんて思いながら。