(no subject)
書きかけ(というか多分完成はしない)蓉子監禁話の導入だけ書き上げてみる。いや本当は色々書きなぐった残骸もあるんですがそれぞれの整合性をとったりこじつけハッピーエンドをでっち上げたりするのが面倒になってきたんですよね……。(待て)
いやダークオチも好きなんですけどね? 救いのない凌辱っていうのもちょっとなあ……。(どこに行く気だよ。)
どうして?
こたえてくれる人は誰もいない。
けほ、と小さな咳が出た。部屋の塵が可視できるほど舞うと同時につうっと唾も垂れたけれどそれを拭うことはできなかった。ちゃりちゃりと耳障りな音に無機質な痛みしかくれない手枷は今日は妙に芸術的に繋がれた鎖にひっかかっていた。昨日歯向かって引っ掻いたから怒らせたのかな、なんて淡々と思う。
まるでお話の中の隔離患者のよう。
いわれのないところなんか、完璧じゃない。
どちらかといえば慰安婦か娼婦だという事実を無視した頭は夏の密室特有の蒸し暑さにやられかけている。もうすぐ部屋の窓は開けられるだろう。そしてそのためにあの子が訪れるだろう。
蝉の騒音に混じって聞こえる木の床板を踏む音を、随分と鋭敏になってきた聴覚が容易く拾った。