(no subject)
取り敢えず石投げないでください、な聖蓉SS。エロゲの人格崩壊系バッドエンドだと思って頂ければ。……フリゲの経験やレビューサイトからの類推ですが。
書いてる方は楽しいですが……うーん。
……と書いて保存してありました2週間前の日付で。なんかあったかなー……(笑)。
せ、い……
虚ろな目。ぺたりと座る姿は、人形のように可愛い。
もうあの力強い濡れ羽色を見ることはない。髪だけに残った光をいとおしむように撫でる。
おかえり、なさい
でも仕方ない。何かを得るためには、幾ばくかの犠牲は付き物だから。
この蓉子しか手に入れられないなら、何を不満に思うことがあるだろう?
ん……
口づければ素直に開かれる唇、ゆっくりと絡む舌。いつも同じ反応。
彼女は壊れた。私が、壊した。ピンと張られた糸を断ち切って、それなのに得られたのはマリオネット。愛しい恋人。
私を壊してくれるなら良かったのに。
なんて。
あの頃からもうこれ以上壊れようがなかった私がそんなことを頼むなんておかしいよね?
息苦しくなって離すくちびる。たらりと落ちる唾液、瞳は開かれたままでただぼんやりと見詰められるだけ。
目蓋に手を当てる。漏れる息を笑い声と勘違いしたいから、私も目を閉じる。掠める香りは、蓉子にはキツすぎるもの。だけど蓉子のもの。
優しく、優しく。
今更、と心のどこかで笑いながら指を滑らせる。
ごめんね、と心のどこかで泣きながら蓉子の感触を味わった。