読書メモ。
電波まみれの青臭いことが吐けるうちは元気な証拠。
『お別れの音』青山七恵(単行本)
短編集。
「新しいビルディング」最初から漂っている後悔、後からやってくる諦念。
「お上手」思うままにはならない期待。“これからこの人を知っていくのだ、という心地よいあきらめが、舌に残るコーヒーの苦味と一緒にじんと頭にしびれた。”
「うちの娘」心臓が痛い。苦手なのに惹かれる。
「ニカウさんの近況」珍しく甘め(笑)絶対評価で見たら大嘘。“二十四年間一緒に生きてきた名前の裏面を、初めてみくってみたような気がした。”
「役たたず」なんだこれ怖すぎる……。すごい。
「ファビアンの家の思い出」珍しくずっと幸福(笑)経年の描き方のあっさりさ、いいなあ。
『損得でくらべる宗教入門』中村圭志(新書)
だいたいあってるんだけど、正しいことって重複も矛盾もするものなので、つまりそういう論調になりがち。
その前提のもと、日本における新興宗教の解釈を興味深く読む。
『スマートグリッドがわかる』本橋恵一(新書)
通信費増加の法則を光熱費に転用する無謀な試み(笑)、とてもいいと思います。こういうの大好きだ。
あとはオバマのエネルギー対策くらいかなあ……スマートグリッドは初心者向けではなかった。前提条件として存在してた。
『苦役列車』西村賢太(単行本)
「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」相も変わらず濃縮後日談が好きすぎる。
中年・安定・受容・野心。救われたわけではなく、ただ納得する。繋がる線は太い。
『エスカルゴの夜明け』蜂飼耳(絵本+詩集)
「一秒前」がとても好き。一行ずつタイトルにして御題でもやりたいくらい好き(笑)。
この内容で「一秒前」。だめだよ、と言われてるから、聖蓉妄想するなら、蓉子視点だなあ……。
と沸いたこと考えてページめくったら次が「栞」。内容もそう読めなくもない。正直噴きましたごめんなさい。