かつての江蓉。
あからさまな当て馬ーな話はあまり好きではないはずなのに江蓉バッドエンドばかり書いてるのはなんだかんだで最後は山辺さんか令とくっつくって思ってるからだろうな。聖江はくっつかないことが既に存在意義のひとつな気がしているのでまた別です。そろそろ誰か他人様の江蓉が読みたい。
(グッドオールドディズおまけ1/江利子+蓉子)
……もしもし
よかった、蓉子ね
当たり前じゃない
ああごめんなさい、こっちの話
……はあ
どうせ見えないのだから何をしていても大丈夫、が嘘なのは自明だ。ぴしっと背筋を伸ばしているのだろう蓉子は恐らくあの椅子に座っている。取り組んでいるのは時期柄レポートか試験勉強か。
じゃあね
え?
何か用事があったんじゃないの?
もう済んだから
番号の確認?
まあそんなとこ
……そう
信じてないことは知っている。でも蓉子はこれ以上は突っ込んでこない。今の私はそれなりに幸せだからだ。浮かれてると称したって良い。
それじゃごきげんよう
ええ、ごきげんよう
お互いもうその挨拶は生活の圏外にあるだろうに。自然と交わされた懐かしい響きに、緩んだ口元から漏れた吐息は彼女には届かなかっただろう。