拍手没話
そのよん。これで終わりです今のところ。
多分江由。(当サイトにおける)マイナーCP祭とか計画してたんですがいきなり見慣れぬCP話とか拍手お礼にならないだろうと途中で気づいた模様。
「私、あなたのこと、そんなに嫌いじゃありませんでしたよ」
「そう、嬉しいわ」
ふふっと笑うこの人から、あの厭味な棘はいつ抜け落ちたのだろう。阿呆みたいに額を強調していた年に合わないヘアバンドをやめた頃からだろうか。年甲斐はなかったけどあれもこの人に似合ってないわけではなかった。無造作に流された髪すら周りを魅了するこの人はきっと何だって似合ったのだろうけれどそれでも実は結構可愛いなんて思っていた。
「由乃ちゃん」
「……なんですか」
なんでもないわ、とまた笑う。ふてくされてみせれば笑う。おかしそうに懐かしそうに目を細めて笑う。勝手に過去にするな、と言いかけてやめる。いつから私はこの人に遠慮なんてものを覚えたのだろう。
「……なんでも、ね」
好きよ、ということばが、空に紛れた。
私は気づかない振りをしてこの人の隣に座り続ける。誰に告白してるかなんか、絶対に、気づかない振りをして。