花見に行ってきました。
文希からのリクエストで祐巳ちゃんって言われたのですが、まともな祐巳ちゃんがストックの中にいなかったというwそんなわけで祐巳×蓉子(笑)。総受ですから。
花見だんごおいしかったーまたよろしくですw
「蓉子さまって、かわいいですよね」
「…そう?」
恥ずかしがりやですぐに赤くなる祐巳ちゃんは、けれどこんなことをたまにぽんと言う。
「かわいいですよ、絶対!」
「祐巳ちゃんには負けるわよ」
「そんなことないです!」
嬉しいけど恥ずかしいことを言う口に、手を伸ばしたら途中で止められた。両手で握られる、まるで言い聞かせられてるみたい。
らしくないな、なんて頭の片隅で囁く自分は少し嫌い。舞い上がる自分はただ赤面して固まっている。
「…どうしたの?」
「えっ?」
「何か、必死だから」
「……だって、蓉子さま、」
……私?
今までだって私のことが話題だったのに、今更驚いたような反応を見せる私の身体を、祐巳ちゃんはじいっと見て綻ぶように笑う。
「いつも外だとびしっとしてらして、すごく格好良くて、」
蕩けた笑み、すぐ目の前で、私は目を離せなくて。
彼女に賞賛されるのはなぜかとてもくすぐったい。ざわざわと全身がざわめく。
「だけど今こうしてくださってるのが、なんだか信じられなくて」
「こうして?」
「あ、う……」
「ふふ」
取り合うつもりはないけれど、ようやく戻ってきたイニシアチブ。手の上で転がしながら、気持ちの上では優しい茶色の頭を撫でる。
「…しあわせ、なんです」
「そう、嬉しいわ」
まるごと愛されてしまった喜び。何にも変えられない、もう後戻りできない。
望むところよ、なんて、つい言ってしまいそうなくらいに、私は祐巳ちゃんに甘えている。
「もー、これ以上あおらないでくださいよー」
「……え?」
ぷう、と膨れた祐巳ちゃんは嬉しそうに眉尻を下げて私に近づく。
肌色が視界を横切るどころか盛り上がって広がって埋め尽くして。
「蓉子さまっ」
「は、え、……んっ」
でも待って、それはちょっと待ってちょうだい。
「かわいいです」
「…ちょっと、祐巳ちゃん、」
「や、です」
私より体温が高い手でぎゅうと押しつけられる。何が、とか、把握する前に身体に一本刺激の筋が走る。
目を輝かせた祐巳ちゃんは、私の上で、花の綻びの笑顔を見せる。嬉しくて恥ずかしくって陥落するしかない、無邪気な笑みを。