日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

(no subject)

蓉聖のようでやっぱり聖蓉。

そして相変わらずな日常。

ちょうど欠伸を噛み殺したところで蓉子が振り向いた。はっと息を呑まれる、そんなんじゃない、と伝えたかったのに彼女の指はそっと私の頬に添えられた。少し見上げて背伸びして、上目遣いほど甘くはないしキスの時ほど切実じゃない。ただどこまでも優しい。

宥められたくてキスをねだる。寝不足でほんの少し欠けた平衡感覚、取り戻すより浮遊感を楽しもう。目元を刷いていった利き手を取って、ちょっとだけついた涙を拭う。ふたりのものにしてしまう。

近づいてすぐに離れたら、呆れたように目尻が下がった。もう、とつぶやきも聞こえてきそう。お互い足りないってわかってて、今はお風呂にお湯張ったりしてる最中で、私はそれでも続きをせがむ。控えめに合わさるキス、甘やかされてる気がして気持ち良い。こくりと小さく鳴る喉の近くから、ゆっくり差し入れられる舌。

このままさくりと手折ってくれればいい。首に回された細腕に、次第に体重がかかるのを感じながら。蓉子に優しく抱かれる夢を見る。座りこむのはしばらくお預け。くらくらするのは、どこに何が足りてないからなのかわからない。今ここで蓉子がこうしているからだったら、ずっとこのままで構わない。

ふ、と漏れた息は陶酔の色をしていた。小首を傾げられたから今度は私から塞ぐ。飽きたりなんかしない。呼吸すら共有できる、そう思えるのは、蓉子が受けとめてくれるから。私をその胸に、腕に、抱えこんでくれるから。