いつの間に4年半。
蓉聖っぽい聖蓉。目指したのはベタ甘。
君が僕を。の3巻章題にひっそりたぎったのです。
骨フェチではないつもりですが鎖骨や肩甲骨はとても好きです。
背中、すき?
……ええ、背中も好き、かしら
でも、
ふふ、くすぐったい
きもちいい?
あら珍しい
びよん、と伸びた腕が器用に。
聖の背に触れる私の頬に触れ、捕らえたと思ったら撫でさすって去っていく。
うつぶせの彼女には見えもしないくせに。口を尖らせたくなるくらいには小憎らしい。そうできないくらいにはいとおしい。
翼の名残……、
よーこってさぁ、ほーんと、
何を言われるか、私だって、わかっている。
とても静かな期待が胸を満たす。さっきまでの聖の指が、舌が声が洗っていったわたしのこころ。
それでも若干の気恥ずかしさが空気に溶けて。くすりと笑う聖。
そーいうロマンティックな話、好きだよねえ
呆れた?
んーん、感心してるの
ばかにしてるわね
まっさかー
浮き上がる肩甲骨。聖の骨ばった身体、には、途方もなくふさわしく。
そうかもしれない、ってところがいいんじゃない
舐める、を通り越して軽く歯を立てると聖は身を捩った。快感からではない。悔しいことに。
いったん四散した空気を、もう一度呼び戻すのは難しい。だから考えないことにする。
ろまんちすとー
…もう
いつもの2文字は口の中。一緒に含んだ聖の肌。
蕩けるというよりは、これからぐずぐずと崩れていきそうな笑い声が近くでして、もう一度右腕が伸ばされる。微かに身体を捻る予兆。
ああ、やっと捕らえられる。