極彩にララバイ
続けようとして迷走。
……こう、たまには停滞だけじゃない江蓉が書きたかったんですが……ですが。
江蓉だったり事後だったりします。
置いていかれた瞳をする蓉子を、ぐしゃぐしゃにかき乱してやりたくなるのは、いつもの衝動だ。
実行したこともある、過敏な蓉子の悲鳴は、閉め切った部屋に心地よく広がって嗚咽になってしまうまですぐ下の熱を持った存在をかわいがった。勝手に向こう側にいったのはあなたのくせに――まあ追い詰めたのもタイミングを図ったのも私だけれど――孤独を主張する表情をあからさまに浮かべられるのはいい気分ではない。やるせない、とでもいうのだろうか。
この私が。
言えば蓉子は謝るのだろうか。
謝ってしまうのだろう。
どちらかが馬鹿だったらそもそも成り立たなかった。
わかって手を出す私はいつも後から嘲られる。キスをすれば蓉子はくすぐったげに笑うから、いつの間にか何も考えずにしていた後戯を、自覚した途端に懲りない破壊衝動が暴れだした。
ねえ、
蓉子の爪が、私の手に刺さる。繋ぎあった両手の意味を、彼女はどう捉えているのか。眠ってしまうか、少なくとも寝たふりはするだろうと思ったのに、引き寄せる仕草。
蓉子に体重を乗せるのは嫌いだ。知ってか知らずか、彼女は巧妙に私の重心をずらす。