日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

「照準点は赤城艦橋」

『激闘駆逐艦隊: 萩風・凉月の奮戦記』倉橋友二郎


ちくま文庫の新刊(初出はもちろんうんと前)が、とてもよかったので、読了日のうちにばーっと吐きに来ました。
戦記じゃなくて回顧録で、当事者から情に寄った目線で描かれてるのでこの手のにしてはすごく読みやすかったです。おすすめ。
空母勢は第一章「運命のミッドウェー作戦」だけでも立ち読んでくだされば……気に入ったら買ってくだされば第二章「連勝のインド洋作戦」では慢心時代の機動部隊も見られますよ! 駆逐艦(に乗っていた士官)から見ての視点というのがまたすごいよなあ……「『あのとき、少しでも被害を経験していたら、二ヶ月後のミッドウェーの失策が、あるいは未然に防げたかも知れない』と、その後も話題のたねになった事件であった」
あ、勿論四駆好き秋月型好きの方がずっと楽しめるとは思います。ガ島も天一号ももりだくさん、ごく個人的な趣味嗜好としてはその後の防空時代の話が特に好きです。
「我は死ねといい、彼は助けようという」の件は、真面目にいまを思い返さなくてはいけない教訓、ですがその手の真面目な話はもうオフでしかしないことにして随分経つので略。製造業とか雇用とか、固有名詞をなかなか出せないここでやっても、要は参院選どうしますか皆さん!?みたいな話にしかもっていけませんしね。私は先週末に期日前投票済です。あんなに気楽な制度をどうしてみんなもっと使わないのかわからない……
艦これでお馴染みの名前が山ほど登場し、大局ではなく個々の人や艦単位でのエピソードがメインな随想録なので、そういうのが好きな方は是非。戦争の全貌なんて大仰に言わずとも、ただひとりの一生に焦点を当てずとも。っていうかいまみたら帯に「護衛・輸送の奮戦録」ってうたってる……卑怯だこれ……実際のガチ兵站部門編というわけではありませんが、加賀を護衛していた(そして見届け、救助した)萩風、大和の輪形陣をになった(そして同様に見届け最後までを知った)涼月、そして、それからが、終戦まで続いて、最後のむすびへと至る。
私は、好きです。