読書メモ。
実はまだ今年我が家の暖房は一度も稼働していません。
日当たりは良好ではないけど当たらないわけでなく、標高は高いけど氷点下までは至らず、ちょっとなんとかなる気がしてきました。本格的な風邪さえ引かなければ。
『かけら』青山七恵
「かけら」父と娘。さくらんぼ狩りツアー。写真のテーマ。父の印象と思い出。
「欅の部屋」男のマリッジ・ブルー。捨てる前にひとつひとつ見直す行為。捨てたものは眩しい。届かなかったから。
「山猫」最後の視点変化が唐突で戸惑う。彼女の内面、が見られるかと思ったのに。
結局この密度この重さが好き。
『見憶えのある場所』安達千夏
母と娘と孫娘。摩耗した歯車がから回っていくシーンが延々と続く。
乾いたから回りなのにその元凶は女の生々しい部分だから、その齟齬が、ちょっと気持ち悪い。異性恋愛だからかなあ。(冗談です。)
しかし一番印象的だったのは「あら素敵。健全ね」(うろ覚え)のところ。こういうノリには弱い。
『フィッシュストーリー』伊坂幸太郎
あ、シェアードワールドな人なのか。吃驚した。
短編集。表題作は読んでいて気持ちよく、オチが好きなのは「ポテチ」。
『きつねのはなし』森見登美彦
短編集。いうほどホラーではなくて一安心。
最初の話が一番、かな。お得意の残念な学生は安定して面白く、ひたひたと怖かった。
『道徳という名の少年』桜庭一樹
うまくチューニングできずじまい。もっと平凡な世界で不道徳非道徳に走る少年少女たちの方が、向いてると、思うんだけどなあ……。つまり夢を見すぎたってことです。たぶん。
腕を欲しがった少女のオチは、らしくて、いい。