日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

蔵出し

吸血鬼パロ。

といいながら蓉子はもう夢魔でいいかな……。蔵出しなのはサイト直送計画実施中だったからです。

はふっ

色々なものを、しかし求めているものとは程遠い無為を、飲み込む音が間近でする。なぜなら私が蓉子を抱きしめたからだ。彼女は抗って暴れて、やがて私に抵抗する余裕もないほど結果的に追い詰められて、今も断続的に喘ぎながら震えている。その扇情にごくりと喉を鳴らしてしまうのは、致し方ないと認めてほしい。最も今現在喉を鳴らして貪りたいのは蓉子の方であることも、私は十二分に理解している。

彼女の理性の糸は強すぎて、心配になる。

いつか蓉子自身が、その糸にずたずたに切り刻まれてしまうのではないかと邪推してしまうから。

はぁ……あ……

呆けた音がして、理性の塊は私の腕のなかでぐらりと傾いだ。抱きしめている、とはいったものの体勢から言って現実的な表現としては蓉子の表面を腕で覆っている、レベルだったから慌てて力を籠めて引き寄せる。

軽い身体。見た目よりも、私よりも、ずっと。

気を失った人間は重たいというけれど、私は気を失った蓉子しか抱き抱えたことがないんだから比較のしようがない。

まあ蓉子は人間じゃないけど。

霧化できるくらいだから人間よりは軽量なのかなあ。

また少しやつれた肢体(やせたなんて段階はとうに通り越している)、原因の大半はつきまとう私にある。

……でも、諦めらんないし

私の感情は、まだ蓉子の理性に勝てない。