何を持って続きとするか
よりも一体何の続きを書いてるのかさえ曖昧になってきました。
聖蓉だとまだ思ってます。
鼻唄で目が覚めた。
そんなことが本当にあるのかと不思議だが、囁きよりやわらかい聖のつくる音は耳に響き頭蓋で震え、気がついたら旋律が変わって穏やかなバラードが紡がれていた。聖には不釣り合いな調べ。本当はとてもよく似合うと思うのだけれど、聖が好んで聞くことはまずない甘いラブソング。ほんの少しの欲を混ぜて。とろける愛を歌う月並みな。私が買ったCDは、最近は聴かれることもなくラックの下段に眠っている。
平凡な人生だと思っている。どこかむずがゆい夢の残滓を追い払って、さっき一瞬だけ合った視線の続きを追いかける。ひどい色をしている足を差し入れたスリッパにするりと落ちた毛布、どちらもこんなに間近にはなかったはずのもの。暖房ではなく湯気によってあたためられた室内に充満するにおいに、実に素直にお腹が鳴った。