日記

いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 本家は二次創作サイト。

告白ごっこー

あいかわらずの由令。

中等部の由乃、可愛いですよね。だって薄幸の美少女ですよ……一応儚げキャラの志摩子だって持ってない称号ですよ(笑)。

帰ってこないなあ。

集中して観てた時代劇がCMになって、ふっと沸いた思考は私をほんの少し退屈にさせた。令ちゃんを待つ、という行為はもう慣れっこを通りすぎて日常の一部みたいなものだし、更に言うなら令ちゃん以外の相手も含めた誰かを(あるいは何かを)待ってる時間は私の人生をかなり占拠していた。それって何かむなしいことよね、と小さくため息をつく。あんまり大きいと令ちゃんが心配し過ぎるから。今はいないけど。

ひとりで身体丸めてテレビを見つめてるのも大概さびしいことなのかもなあ、と思って、ちょっと意識的に背筋を伸ばしてみる。CM長いなー、ていうか同じのやりすぎよ。そのギャグは正直もう飽きたわ。

しっかり覚えてしまう辺り罠にかかっているんだわ、と舌打ちをする。これも無意識のうちに小さめに、だって令ちゃんが……ってだから今はいないんだってば。私は主演男優のかっこよさに素直に痺れてれば良いのよ。今日の悪役も渋くて良い感じだけど。悪行成敗ですかっとしたい気分だから是非かっこよくやられて欲しい。

……そういえばここまで元気なときに令ちゃんが隣にいないって珍しいかも。

可哀想な村の風景が映ったところですっぱりと切り替えようとした意識は、思考主の思惑に反して頑固にくすぶり続ける。熱が出て頭がぼうっとしていたりとか、身体の節々が痛いときとか、はやく令ちゃんこないかな、とベッドで待ってる休みの日にはもう慣れたけど。くっきりはっきり健康体(令ちゃんは私がどんなに元気でもこうは言わないけどね)なときに令ちゃんと離れるのは、うん、そんなになかった。令ちゃんの修学旅行とか。大会の遠征とか。ごめんねごめんね、としまいにはこっちが怒り出すまで謝り続ける令ちゃんの情けない声を思い出して、ふうっともう一回息を吐く。

今度CMになったらクッキー持ってこよう。令ちゃんが昨日呆れるくらい焼いてた奴。

本当はもうだいぶ集中力は切れちゃってるけど、(どうせ現在進行形で録画してあるし、)お気に入りの俳優には意地でも背を向けないんだから。だいたい令ちゃんが悪い。お中元のオレンジジュースも合いそうだよね、って言ったらじゃあ明日はそれでお茶会にしようか、と笑ってた令ちゃんがもう夕飯も近いのに帰って来ないのが悪い。

ひとりっきりでするわがままもつまらない。腕を組みながら睨むように画面を注視する。(彼の台詞に集中してるからであって断じて八つ当たりなんかじゃない。)

伸びたはずの背筋が丸まって、令ちゃんへの呪詛が勢い余ってふた回り近くした頃、やっと待ち望んだ声が聞こえた。

時代劇なんかとっくに終わっちゃったわよ今観てるのは録画! 挨拶して欲しかったらもっとはやく帰ってこい。

待ってたんだから。ばか令ちゃん