江志ー。
某方の密やかな江志にたぎったので昔の書きかけを引っ張り出してきました。珍しく展開が決まってる話なのでこの勢いのまま書けたら……いいな。江蓉はあれで一応一区切りなんですサイト掲載時に蓉子視点は足すかもですが。
吸い込んだ息は吐き出さなきゃならない。
江利子さまはきっと気にしない。私には確信があった。もしかしたら、面白がりすら、するかも知れない。その光景は想像するだけで私の背筋を凍らせるけれど、嵐のような私の怒りも絶望も、なんでもないふりで江利子さまは笑い飛ばすのだろう。
やさしい、というかたちが、ひどく独特なひとだから。
それでも私は言えないのだ。江利子さま自身の腕の中に無造作に埋められた頬の間近で、そよ風にもならない慨嘆の吐息。
……だってこのひとにゆるされてしまったら、私は。
きっと来年、ここで生きていけなくなる。
お姉さまに支えられて、蓉子さまに見守られて、江利子さまに、……良くしてもらって。これ以上求めたら引き返せなくなってしまう。
「どうして、」