しつこく江蓉続き
割とどうしようもなくなってきた。
江利子に色々言わせるのはでも初めてかもしれない。
お願い、
不安げな顔を、私の下でするのは、やめて欲しい。
呼びかけに振り返ってほころばせる顔、キスの最中に至近距離で見る安らぎ、江利子と囁く頬の赤み。あどけない寝顔よりも幸せそうな表情が、あまりに呆気なく見られるから私は贅沢になった。崖に落ちそうな蓉子の腕を掴み、窓際でふたりダンスを踊る。
繋ぎとめるだけでは、引き戻すだけでは満足できなかった?
与えていたつもりだった。求められて抱く側にまわる、違和と悦楽を気取らせずに、蓉子の表層から深奥までを暴きたてた。一枚剥くごとに安堵を浮かべ、撫で上げれば歓喜に泣く、美しい少女を優越を得る材料にした。
違うと、偽善ぶる自分と、それを嘲笑う私。
ばぁか
どちらも、本当の、鳥居江利子だ。