極彩にララバイ
前回の江蓉続き。ちっともえろくないですが一応続きなので閲覧は注意。
聖の弱いところを知っているのは蓉子だから~は公式ですが、個人的妄想として蓉子にとってはそれが江利子で、江利子にとっては令なんですよね。
令は強い子。
無理しなくていいのに、
……ちがうわ
意地を張った私に、さざなみ。
ゆるい苦笑いとは裏腹の江利子が、夜を重くして私を追い詰める。全部握られているから、とても楽になれる。
ねえ、
すうと消えた色が、江利子の瞳に宿った。
一瞬にして混線した糸が、不安感を掻き立てて吸収する。
私は震えていたかも知れない。
ひきつる快楽は、江利子が丁寧に塗り込んでくれたものだというのに。
好き?
……なんで江利子がそんなことを聞くの。
ルール違反よ。
私たちの間にルールなんてあったとでもいうつもり?
だって江利子は。
私の弱い部分を知ってる人が。
掠れた否定は哀願だった。かたちのない壁を崩そうとする江利子に怯えた。指先で押し上げられた圧迫感が胸を詰まらせて空気が塊になる。目は閉じられなかった。
逸らした視界の先を江利子が塞ぐ。
蓉子
囁かれて、感情が消える。食いしばる歯の間から漏れるのは、弾けた衝動の残骸。私は苦しむ選択ばかりしている。
江利子は少し笑った。終わった後、いつも浮かべる笑顔だった。
手を伸ばせば指が絡まる。べたついた指の股に、眉を顰めたところで顔にキスが落ちる。額の時もある、頬の時もある。唇の端が、ぺろりと舐められて微かな吐息がかかる。
ねえ、
寝たふりをすれば、江利子は許してくれるから。